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リキュールカップ・ペア 変り塗 鳳凰(一点限り) 伝統工芸士 川俣 博作

天然木・漆手塗り・手描き蒔絵
サイズ Φ6.2×(高さ)11センチ
豪華化粧箱入り

一点限り!
70年の時を経て完成した豪華版リキュールカップです。


70年前の木地を使用
伝統工芸士・川俣博さんに特別に制作していただいた一点モノをご紹介します。
川俣さんは調べがついた限り江戸時代から4代続く蒔絵師の家系に生まれた方。「もっと前からやってたはず」(川俣さん)。
全国で輪島と会津にしかない漆器訓練校の講師も勤める学究肌の職人さんです。
蒔絵作業中の川俣さん
木地は山桜、神事に使う梓弓(あずさゆみ)もこの木から作られます。
通常この手の木地はカップ・柱・台座の3パーツに分けて削り出してから接着させることで作業の効率化とコストダウンとを図るのですが、本品は全体を一度で削り出す「一本取り」の手法を贅沢に採用。木地師さんの高い技術力なしにはできません。またこの結果として木地に芯が通るので強度を上げることができるのです。

木地に生漆を刷毛塗りして乾燥後研磨(木固め)。
砥の粉と生漆を混ぜた錆漆(さびうるし)をヘラで塗りつけ(錆付け)、乾燥後粗めの砥石で研磨(錆付け研ぎ)、生漆を染み込ませて固める錆固めを3回繰り返して下地作業が完了。
弁柄色(べんがらいろ・茶褐色の朱色)の中塗漆を刷毛塗り、乾燥後研磨を2回繰り返します(下塗・中塗)。

さて、あっさりと説明してきましたが、ここまでの工程、じつは70年以上前に行われたもの。
川俣さんのお父さんが戦前に欧米に輸出用として手配した中塗木地が開戦(1941年)で輸出が禁止となってしまいそのまま70年間デッドストックされていたものなのです。
ただ古いだけではありません。「70年間変形がなかった頑丈な木地だからあと50年は大丈夫」(川俣さん)。
代々の職人さんだけが使うことができるレアでプレミアムな素材なのです。

上塗 「蒔絵師にしか出せない色を」(川俣さん)
ここから息子の川俣さんの出番です。
中塗木地を800番→1200番の順で水研ぎして上塗の密着性を高めます。
今回は梨地漆(なしじうるし)50パーセント、研出朱合漆(とぎだししゅあいうるし)50パーセントに銀粉を混ぜて上塗漆を調合、川俣さんが本品用に既製品を半分の幅にカスタマイズした特製刷毛で塗ります。乾燥風呂で何回も上下ひっくり返すことで均等に漆を定着させます(ひ返し・厚く塗った漆は硬化に時間がかかるため放置したままだと重力に負けて漆が垂れるので念入りなひ返しが不可欠)。特に柱部分はひ返しのときに「ウルシが動きやすい(垂れやすい)」(川俣さん)ので薄目に塗るのがポイント、本品を手にとってみると柱部分の肉持感が少しだけ薄いのがわかります。24時間で表面のラッカーゼを硬化させ、そのまま一週間置いて内側のゴム質を乾燥させます。
乾燥後400番→1200番→2000番と水研ぎしてツヤを上げていきます。
柱部分とカップ部分の塗膜の厚みの違いにご注目。柱を薄く塗ることでタレを防止します。


そして仕上げ。
ツヤ上げした塗面に生漆を摺り込んで小キズを埋め摺り漆、乾燥後水でといた砥の粉を布につけて胴摺りして平滑にし、さらに胴摺りでできた目に見えないほどの微細なキズに摺り漆をして乾燥後に菜種油を人差し指と中指につけて鹿のツノの粉(角粉・つのこ)で磨くことを3回繰り返して仕上げが完了。

台座のウラに黒花塗漆を塗って乾燥。花塗漆はツヤありで乾燥するので水研ぎはせず。

内金地 「お化粧と同じタッチで」(川俣さん)
中塗木地のままのカップの内側に摺り漆、乾燥前に会津独自の消金粉(けしきんぷん)を真綿(まわた・シルク100%)につけて「女性のお化粧と同じタッチ」(川俣さん)で蒔き付けます。ここでようやく下塗・中塗に弁柄色を選択した理由が明らかに。「黒を中塗するよりベンガラ色のほうが金の発色が良くなるから」と川俣さん。
一週間乾燥、摺り漆を3〜4回繰り返して内金地のツヤを上げたらカップ本体の完成です。
内金地の様子。間接照明で日本酒を注ぐと金ならではのゴージャスな雰囲気に!古人曰く「金は水に馴染む」。


いよいよ蒔絵に取り掛かります。
まず鳳凰から。生漆にベンガラを加え絵漆(えうるし)を作り細い蒔絵筆で漆絵(うるしえ)を描きます。この上に色粉を蒔くと漆が糊代わりとなり定着する、粗っぽく表現すればこれが蒔絵の原理です(子供のころにやった砂絵と理屈は同じです)。
ベンガラをくわえるのは本来生漆は透明茶褐色に乾燥しますが、これを赤錆色にすることで漆絵を見易して粉を蒔く作業性を確保するため。また「(この色だと)塗面が黒でも朱でも絵が見易い」(川俣さん)とのこと。硬化する前に消金粉(けしきん・金箔の粒子を細かくした会津独自の金粉。金箔は展性確保のため純金に銀・銅を各5%混入させるため、消金は銀・銅のせいで純金と比べると軽快な色味になる)を蒔いて1日で乾燥後、鳳凰の足を描いて常色(つねいろ・さらに黄色味を強くした消金粉)を蒔き完成。
足を薄い常色で蒔き分けて複雑な鳳凰を描きます。

次に桜。漆絵は同前。花弁のメタリックなピンクは朱の粉と錫粉を混ぜたもの蒔いて表現。「錫の変わりにアルミを混ぜてもいいけど白っぽくなるので今回は錫で」(川俣さん)。乾燥後花芯を描いて消金を蒔く。
最後に花弁の中央に手製のポンチで切り出した青いあわび貝(半透明白色の貝のウラに黒漆を塗って青くしたもの)を生漆で貼り付けて完成。
台座部分の桜










 
 








材質
[木製] 木製 (M) メラミン樹脂
[木繊] 木繊(中密度繊維板) (U) ユリア樹脂
[木粉] 木粉と樹脂の成型品 (N) ナイロン樹脂
[竹] 竹 (F) フェノール樹脂
[合成紙] 合成紙 (A) ABS樹脂
[紙] 紙 (P) PET樹脂
[陶胎] 陶胎 ※0 (P・A) 飽和ポリエステル・ABS樹脂
(ア) アクリル樹脂
塗装 原産地
(漆) 塗装 [日本製] 日本製
(ウ) ウレタン塗 [輸] 輸入品
(カ) カシュー塗 [輸加] 輸入加工品
(エ) エポキシ塗
(漆)+(ウ) 漆+ウレタン塗 ※1
(ウ)+(漆) ウレタン+漆塗 ※2
(ア) アクリル塗装
※0・・・陶磁器に漆を施し装飾したものを「陶胎漆器」と言います。
※1・・・漆+ウレタン塗は、漆の比率が50%以上の混合塗装。
※2・・・ウレタン+漆塗は、漆の比率が50%未満の混合塗装。
リキュールカップ・ペア 変り塗 鳳凰(一点限り) 伝統工芸士 川俣 博作
販売価格

29,000円(税込31,320円)

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